スパとは何をするところ?温泉・リゾート・リラクゼーション施設の定義と目的
スパとは、本来「温泉」や「水」を意味する言葉を語源とし、心身のリラックスと健康の増進を目的とする施設を指します。近年では、日本国内でもスパの定義が広がり、温泉スパ・ホテルスパ・リラクゼーションスパ・デイスパ・メディカルスパなど多様な施設形態が見られます。基本的に、スパは「癒し」や「リラクゼーション」を中心としたケアを提供する空間です。
特にホテルスパでは、ジャグジーやサウナ、アロマトリートメント、フットバス、ボディトリートメントなどを取り入れ、上質な空間と時間を提供することが重視されています。海外の高級リゾート地にあるスパでは、ヨガ、瞑想、デトックスメニューなどと連携したホリスティックケアが一般的です。
温泉地にあるスパは「温泉スパ」として分類され、天然温泉を利用した浴場設備に加え、リフレクソロジーやオイルマッサージなどの施術が可能な施設もあります。リラクゼーションスパは都市部の商業施設やビル内に設けられ、日常的に通いやすい点が特徴です。
スパの目的は以下のように分類されます。
リラクゼーション
心身をリラックスさせることが主な目的であり、ストレス軽減や睡眠の質向上につながります。
身体機能の回復
温浴による血行促進や、軽度な疲労回復をサポートします。
美容
肌の保湿や毛穴ケアを目的としたスチームケアやアロマオイルを使った施術も含まれます。
スパでは国家資格が必要な医療的マッサージは提供されませんが、セラピストによる非医療系のトリートメントが中心です。以下の表で、スパの主なサービス内容と施設情報を整理します。
スパ施設の主な内容
項目 |
内容例 |
目的 |
リラクゼーション、健康促進、美容 |
施術者 |
セラピスト(国家資格不要) |
主な施術 |
アロマトリートメント、フットバス、入浴 |
主な設備 |
温泉、ジャグジー、スチームサウナ |
所要時間 |
30分〜90分(選択メニューによる) |
対象 |
一般女性、カップル、観光客、高齢者 |
エステとは?美容目的の施術内容とエステティシャンの役割を詳しく解説
エステとは、美容を目的とした施術を提供する施設、またはそのサービスを指します。エステティックサロンやエステサロンと呼ばれる施設で行われ、肌の改善、体型の調整、脱毛、痩身、アンチエイジング、フェイシャルケアといった美容領域に特化したサービスが中心です。
エステティシャンは専門知識と技術を持ち、カウンセリングを通じて個人の肌質・体質に合わせた施術を提案します。国家資格は存在しませんが、民間資格(日本エステティック協会、CIDESCOなど)を保持することで信頼性を高めている施術者も多くいます。
エステでは、以下のような目的別サービスが展開されています。
美容目的のエステ施術例
目的 |
内容 |
美肌 |
クレンジング、毛穴洗浄、保湿ケア |
痩身 |
脂肪燃焼マシン、EMS、ハンドトリートメント |
脱毛 |
光脱毛、レーザー脱毛 |
小顔・たるみ改善 |
フェイシャルマッサージ、ラジオ波 |
アンチエイジング |
コラーゲン導入、パック、美容液導入 |
施術は部位ごとに分かれており、フェイシャルエステやボディエステなどがあります。また、トリートメントマシンを使うメニューと、手技による施術が組み合わされていることも多いです。
以下に、エステの特徴と施術環境についてまとめます。
エステの主な特徴
項目 |
内容 |
目的 |
美容改善、痩身、脱毛、肌質向上 |
施術者 |
エステティシャン(民間資格あり) |
主な施術 |
フェイシャル、痩身、脱毛、パック |
主な機器 |
ラジオ波、キャビテーション、EMS |
費用相場 |
1回5000円〜3万円(部位・内容による) |
所要時間 |
60分〜90分(初回はカウンセリング含む) |
対象 |
美容に関心のある女性、男性、若年層 |
エステは、美容室内に併設されるケースもあり、「美容室のヘッドスパとの違いが分からない」といった声もありますが、エステはより深い施術内容と専門性を提供する施設です。
マッサージとは?医療・国家資格との関係と施術範囲の違い
マッサージとは、主に手技によって身体の筋肉や関節にアプローチし、血行促進やコリの改善を図る施術法です。日本では、マッサージを職業として行うには国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の免許が必要です。この免許を持たない者が有償でマッサージを行うことは法律上禁止されています(あはき法)。
ここで注意が必要なのが、エステやスパの施術者が提供する「リラクゼーションマッサージ」は、医療行為には該当せず、リラックスを目的とした非医療行為です。つまり、国家資格を持つマッサージ師が提供する施術と、エステやスパでのリラクゼーション施術には明確な違いがあります。
マッサージの施術範囲と目的の違いは以下の通りです。
マッサージの施術範囲と違い
項目 |
国家資格あり |
国家資格なし |
提供施設 |
接骨院、治療院 |
リラクゼーションサロン、エステ |
主な目的 |
医療補助、痛みや不調の改善 |
疲労回復、癒し |
使用可能な手技 |
指圧、あん摩、関節可動域訓練など |
軽擦法、揉捏法、オイルトリートメント |
資格要件 |
厚生労働省認可の養成校修了・国家試験合格 |
特になし |
法的な位置づけ |
医療類似行為(法的保護あり) |
リラクゼーション行為(医療行為ではない) |